看護師の転職、看護師として楽しく働き続けることを応援しています。

看護師の転職はeナース-mobile
Hospital Info

Hospital Info

Hospital Info
第13回 〜千里リハビリテーション病院〜

 大阪府箕面市の千里リハビリテーション病院は日本初の「リハビリテーション・リゾート」として2007年11月に開設された。この全く新しいコンセプトは「リゾートホテルに滞在するような心地よさを感じながら、効果的なリハビリテーションが実践できる専門病院」を意味する。橋本康子理事長は長くリハビリテーション医療に携わってきた経験から「気づき」を重視し、「身体的ケアはもちろん、これまで置き去りにされがちだった精神的なケアもできる、脳卒中の患者さんにとって本当に理想的な病院を作りたい」と話す。看護部ではそういった橋本理事長の思いを受けて、従来の看護概念を打破し、新しい看護方法を取り入れている。とりわけリハビリテーションスタッフ、介護スタッフとの関わりを密にしたチーム医療が特色である。一方、外部研修を積極的にバックアップするなど、教育にも力を入れている。
 今回は橋本康子理事長、原麻由美看護部副部長、隍智子さん、冨愛子さんにお話を伺った。
e-nurse HOSPITAL INFO

◆橋本康子 理事長 プロフィール
e-nurse HOSPITAL INFO
1981年に名古屋保健衛生大学(現藤田保健衛生大学)医学部を卒業後、国立療養所高松病院に勤務する。1983年に香川医科大学第一内科教室に入局し、1985年から1987年まで米国インディアナ大学腫瘍学研究所に勤務する。1988年に医療法人社団和風会橋本病院に勤務し、1989年に同病院副院長に就任する。1996年に社会福祉法人福寿会理事長に就任を経て、2000年に医療法人社団和風会の理事長に就任する。
また医療法人社団和風会橋本病院の院長に就任し、社会福祉法人徳樹会理事長も兼任する。2001年に全国抑制廃止研究会の理事となる。2003年に香川県抑制廃止研究会会長に就任し、日本医師会介護支援専門員技能向上講座の講師となる。2004年に日本療養病床協会の常任理事となる。医学博士、香川県女医会会長。
◆隍 智子(ほり もとこ)さん プロフィール
e-nurse HOSPITAL INFO
青森市出身。1999年に千葉大学看護学部を卒業後、千葉大学医学部附属病院、東北大学病院での勤務を経て、セネガでボランティア活動を2年間行う。帰国後は東北大学病院に勤務し、2008年6月から千里リハビリテーション病院に勤務する。
◆隍 智子(ほり もとこ)さん プロフィール
e-nurse HOSPITAL INFO
青森市出身。1999年に千葉大学看護学部を卒業後、千葉大学医学部附属病院、東北大学病院での勤務を経て、セネガでボランティア活動を2年間行う。帰国後は東北大学病院に勤務し、2008年6月から千里リハビリテーション病院に勤務する。
◆冨(とみたか)愛子さん プロフィール
e-nurse HOSPITAL INFO
大阪市出身。1999年にPL学園看護専門学校を卒業後、PL病院、石切生喜病院などでの勤務を経て、2008年2月から千里リハビリテーション病院に勤務する。

<リハビリテーション・リゾート>
 千里リハビリテーション病院は日本初である「リハビリテーション・リゾート」というコンセプトを打ち出している。このコンセプトは「病院」にいることを忘れてほしい、「リゾートホテル」のような心地よさをという願いから生まれた。さらに「病院」にないものを幅広く用意し、豊かな空間の中で患者さんの心を癒し、リハビリテーションの効果を高めることを目指す。「病院」そのものを変えることが「リハビリテーション」(以下リハビリ)の現実をも変えていくことに繋がっているのだ。
e-nurse HOSPITAL INFO
橋本(理):
私は20年間、橋本病院で内科医として勤務してきました。橋本病院は香川県三豊市で地域に密着した医療を行っていますので、どうしても高齢の患者さんが多いのです。90歳の患者さんも珍しくなく、そういった患者さんが肺炎で2週間ほど入院し、その後、廃用症候群になってしまうケースもあります。そうなると内臓のレベルまで下がってしまうんですね。高齢者だけでなく私たちであっても2週間寝ていたら、筋力、持久力は低下します。そこでリハビリの必要性を痛感し、2000年に回復期リハビリテーション病棟を開設しました。そこからリハビリについて理解を深めていったんですね。
脳卒中や脳出血などの脳疾患で倒れた患者さんは強い衝撃や大きな不安に襲われ、ときには生きる気力さえ失うこともあるという。そういう患者さんがいかにモチベーションを向上させて、リハビリに取り組んでもらえるかを考えたときに必要になるのが「環境」であると橋本理事長は指摘する。千里リハビリテーション病院では佐藤可士和さんを総合プロデューサーに迎え、「本物のリゾート」を志向する。
橋本(理):
60歳の方が脳疾患を患って、片麻痺で車椅子のまま30年ぐらいの人生を歩んでいかなければならないと分かったら、モチベーションが上がるとは思えません。内科や外科では薬を処方したり、手術をするように医師主導で行われる医療ですが、リハビリでは患者さん自らが運動、練習、訓練を行わないことには始まりません。医療者は補助をするなど、できることは限られているんです。右の手足が動かなくても、残ったところで頑張ってやっていこうとする気力を奮い立たせるものとして心地よい環境を用意すべきではないかと思いました。私どもでは薪をくべる本物の暖炉や魚のいる水槽、ライブラリー、アロマテラピーが受けられる専用サロンがあります。医療職も白衣とは全く異なるユニフォームを着ています。
 私もエステティックサロンや綺麗なホテルが好きなのですが、そういった場所では自分が大切にされているような感覚を抱きますし、心からリラックスできます。病院もそうありたいと思ったのです。

<「気づき」の医療>
 橋本理事長は既成概念や常識にとらわれず、今までとは違う視点で見たり、考えたりすることで初めて「気づき」が生まれると話す。さらにそこに存在していた矛盾に気づき、当たり前のことを普通に行う大切さに気づいたことを迷わず、確実に実践していくのが医療法人社団和風会の病院理念である「気づきの医療」だと定義している。
橋本(理) :
リハビリで運動機能を回復したと判断され、退院した患者さんが家庭や社会でその機能を発揮できず、再び病院に戻る例は多数あります。これは病院の環境が自宅や社会での日常生活を想定したものではないからだと気づいたのです。たとえば家庭に帰って料理をするのであれば、私どもでもキッチンで料理をすることがリハビリですし、和室で暮らす方には畳の上で歩く感覚を取り戻していただくことがリハビリです。そこでキッチンや和室を作りました。そういった「気づき」が治療行為に繋がるリハビリを助けるのです。
 また患者さん側からの「気づき」もあります。個室でないとプライバシーを守れないこと、食事をベッドの上で取るのはおかしいことなどです。そこで全室個室にして、レストランも作りました。一般の病院では「安静を保つ」ことに重きが置かれますが、リハビリ専門病院ではどれだけ活動性を上げるかが大切です。片手だけを使ってタオルで手を拭く、目覚まし時計を合わせる、お茶を淹れるなど、そういった日常生活の動作を練習するためにも様々なアメニティも用意しています。
 このように医療者側と患者さん側の二つの視点がもたらした「気づき」から生まれたのが「リハビリテーション・リゾート」のコンセプトなのです。
千里リハビリテーション病院では院内各所にデンマークのフリッツ・ハンセンの椅子を置き、各部屋には家庭用の洗面台、クローゼット、机、ソファーを用意している。食事を自分の意志で選ぶことがリハビリに繋がるという考えで、レストラン方式を採用し、多彩なメニューを提供している。
橋本(理):
ハンセンの椅子の中にはくるくる回るタイプのものもあります。従来の病院でしたら「危ない」と言われるかもしれません。しかし社会に出たら、危ないことは無限にあります。野球選手が試合より重いバットで練習したり、マラソン選手が本番の距離より長く走りこんだりするように、病院で安静にするだけでは社会で通用しません。社会で生きていくためには危機管理能力や危機回避能力が必要で、それらをリハビリで培うことに意味があるのです。
 私どもでは6人が住む住居が1つのユニットになっています。玄関では靴の着脱もありますので、患者さんは部屋の外に出るときに「家から出て行く」という意識になるようで、衣服も換えたり、女性ならお化粧をしたりされますね。そういった更衣や整容も大切なことなんです。重症の方でも渡り廊下で外気に触れることで、暑さ、寒さを五感で受け止めるでしょう。そして暑ければ、海水浴などの思い出も蘇るかもしれません。そこで脳を活性化させることが大切なんですね。

<直接看護を…>
 看護業務には直接看護と間接看護があるが、千里リハビリテーション病院では直接看護を非常に重視している。そのためホテルにルームキーパーを派遣している企業と提携し、プロのルームキーパーを常駐させている。
e-nurse HOSPITAL INFO
橋本(理) :
間接看護にはシーツ交換、お風呂やトイレの掃除といった環境整備、看護記録記入などがありますが、看護師がこれらに1日4時間ほどを費やすのはもったいないと常々思ってきました。そこでルームキーパーが環境整備を行い、看護師は少しでも長く患者さんと関わる直接看護に傾注できるようなシステムを整えたのです。たとえば退勤の時間が迫っているとき、後で掃除することを思ったら、お風呂を勧めようとは普通はしないでしょう。ところが、後からプロが掃除してくれると思ったら、お風呂を勧めますよね。それが結果として患者さんのためになるはずです。また看護記録記入に関しても時間短縮の方法を考案中です。
隍:
今まで大学病院に勤めてきましたので、時間や処置に追われて、走り回っていました。患者さんとゆっくり話して、気持ちや訴えをお聞きしたいと思ったのが、千里リハビリテーション病院への志望動機でしたので、直接看護に重点が置かれているのは嬉しいですね。ただリハビリはどうしてもセラピストがメインとなりますので、看護職がどこに入っていくべきか、最初は悩みました。若い看護師も「何をするんですか」と聞いてきましたし(笑)。最近は看護職が関わるべきところが分かってきました。
冨 :
在宅看護の経験があり、リハビリに興味があって、リハビリ科のドクターによく質問をしていたんです。それで千里リハビリテーション病院に来たのですが、一人の患者さんに十分なケアをする中で、看護師はヴァイタルチェックを通して、リハビリ上の疾患を把握していかないといけないところに、やりがいを感じますね。療養する立場に立って仕事をすることをいつも心に留めています。
原(副) :
「できることが普段していることになる」、「今していることが継続できる」ようなリハビリが理想です。看護現場ではリハビリスタッフと協力して、ADL向上の援助をしてほしいと思っています。

<看護部のあり方>
 日本初の「リハビリテーション・リゾート」というコンセプトを持つ、千里リハビリテーションの看護部は従来の看護概念を打破し、前述したような直接看護を重視した看護を実践している。
e-nurse HOSPITAL INFO
原(副) :
一般的な病院での看護部の業務内容の枠を超えて、患者さんとの関わりを重視しています。病棟の長は普通は「師長」として看護師が務めますが、私どもでは1階はST、2階はPTが務めていますので、「病棟長」というポジションなんです。3階は看護師が病棟長です。リハビリスタッフが長だと、主任は看護師、介護職が務め、看護師が長であれば、主任をリハビリスタッフにするといった構成が特色ですね。
 私は「医局」と呼ばれる部屋にいますが、この医局には理事長、副院長、医師、秘書のほか、地域連携室もあり、ソーシャルワーカーが常駐しています。このため組織内の風通しが非常に良くて、看護部が他部署と連携を取りやすくなっています。
 開設から間もないため、現在も多くの看護師が続々と入職している。原副部長は毎月のようにある入職式で、病院全体の理念を話し、理解を求めているという。一方、千里リハビリテーション病院では研修や教育にも力を入れ、交通費や宿泊費なども理事長の許可があれば全額負担している。
原(副):
全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会の回復期リハビリテーション看護認定コースを私も受講する予定です。認定まで2、3年越しの計画になるでしょうが、私の後に続いてくれる看護師を毎年送り出したいと思っています。またセラピストも全国レベルの学会で発表するなど、勉強熱心なスタッフが多いですよ。

<チーム医療>
 千里リハビリテーション病院では徹底したチーム医療が行われ、患者さんのADL向上を目指して、活発に意見が交換されている。意見交換の後には電子カルテが効果的に使用され、情報の共有に役立っているという。
e-nurse HOSPITAL INFO
冨:
ミニカンファレンスも頻繁にありますね。ドクターからは病状的な点からどういうアプローチが有効なのかという指摘があり、とても勉強になっています。途中経過の情報交換も活発で、患者さんのご家族を含めて皆でケアできている雰囲気です。看護師同士も仲が良くて、誘導など皆が動くんですよ。ミーティングも多いですね。
隍:
それぞれの職種に隔たりがなく、休憩のときもちょっとしたカンファレンスになったりします。他の病気を持っている患者さんもいらっしゃいますので、介護スタッフに看護師として伝えられる部分を伝えたり、介護スタッフに「どんな風に歯磨きしていますか?」と尋ねたりという情報を交換し合っています。ナースコールに誰もが出ることに最初は驚きましたね(笑)。どの職種であってもナースコールに出るので、「スタッフコール」と呼んでいます。
原(副):
専門職が専門のことだけを業務として行っていたら、必ず隙間ができてしまいます。ソーシャルワーカーであっても、患者さんとの話の途中に「トイレに行きたい」と言われれば、連れていくべきなんです。この患者さんをどうするのかというのは人間としての問題ですよね。専門性を大事にしながらも、一つのチームで、治療とリハビリを24時間365日体制で提供しています。

<福利厚生>
 リハビリでは歯磨き、整容、排泄といったADLの向上が不可欠であり、自立させることで家族の負担の減少に繋がる。こういった朝のサポートのため、スタッフは7時30分から16時までの早出と11時から20時までの遅出の二交代制が取られている。
 また千里リハビリテーション病院では全職種が同じユニフォームを着ている。これは滝沢直己氏のデザインによるもので、パリの紅茶専門店のユニフォームがベースになっているそうだ。

隍:
床に座ることも多いので、パンツスタイルで動きやすいですね。他の職種の人たちと同じものを着ると、隔たりを感じず、一体感が出ます。これまで着てきたユニフォームの中でベストだと思います。半袖もあるんですよ。
原(副):
通勤に自家用車を使わない職員や寮の居住者に対しては「エコ手当」が支給されています。このほか皆勤手当や常勤手当などの支給もあります。

<今後の目標>
e-nurse HOSPITAL INFO
隍:
リハビリ専門病院に勤務するのは初めてですので、これからたくさん勉強していきたいです。他職種のスタッフから様々な刺激を受けて、自分の知識と技術を増やし、患者さんの社会復帰を手助けしていきたいですね。
冨:
他職種のスタッフとの関わりは本当に勉強になります。PTの関節運動やSTの嚥下を改善する訓練など、様々な知識を吸収したいと思っています。

<メッセージ>
橋本(理):
医療に対する柔軟な考え方を持ち、私が実践したいと願っているリハビリ医療を分かってもらえる方に来ていただきたいですね。たとえば私どもではアロマテラピーを重視しています。日本人はフットケアを疎かにしていますが、麻痺で血液やリンパの流れが悪くなると、足が腫れ、亜脱臼や疼痛に繋がりますので、マッサージをして血液やリンパの流れを改善する必要があります。また高齢者は皮膚が乾燥しがちですが、ひび割れからばい菌が入ることもあるので、保湿も大切ですし、お腹のマッサージは便秘に有効です。私どもでは医療系のアロマテラピストが常勤しており、治療の一環として施術を行っています。このように様々なことを取り入れて、幅のある医療を行っていることを理解してくれる方をお待ちしています。
原(副):
先日、タクシーに乗って、「千里リハビリテーション病院まで」と言ったところ、運転手さんから「寝たきりの人を歩けるようにして退院させた病院だと噂になっていますよ。看護師さんたちもいつも笑顔でにこにこしているんですってね」と言われました。最近、おっとりと、穏やかな感じの看護師が増えてきたようです。急性期病棟経験者と訪問看護などの経験者が今は半々ぐらいですね。いろんな看護師がいろんなところから集まっている病院です。看護師には他のスタッフと同じように、「病院の顔」として活躍してほしいですね。やる気のある方にいらしていただければと思っています。

<病院概要>
名称
医療法人社団 和風会 千里リハビリテーション病院
住所
〒562-0032 大阪府箕面市小野原西4丁目6番1号
電話
072-726-3300
FAX
072-726-3600

TOP > Hospital info > ソス逞「ソスソスソスnソスrソスソスソスeソス[ソスVソスソスソスソスソスaソス@
top
[ 会社概要 ]
[ プライバシーポリシー ]
[ 全国病院リスト ]
[ サイトマップ ]
勤務エリアから探す
北海道 東北 関東 北陸甲信越 中部
関西 中国四国 九州沖縄 その他

[ 看護師の転職・求人のeナースTOPへ ]
看護師の求人・転職ならeナースモバイル
(C)2011 (株)リンクスタッフ